X-Analyzer3
X-Analyserは、CAN、LIN、CAN FDまたは、それら全てのインターフェースを搭載したハードウェアを使用しCAN、LIN、CAN FDベースのシステムを解析するソフトウェアツールです。X-Analyserを使用することで、さまざまな方法でネットワークトラフィック表示やデータロギングが可能になります。また、データ生成や、簡単なCANまたは、LINデバイスのシミュレートも可能です。X-AnalyserはWindowsVista 7、8 、10PCプラットフォームで動作するよう設計されています。
X-Analyserの最新版であるX-Analyser 3では性能がさらに強化されており、ユーザが表示を管理することによって独自のCAN解析ソフトウェアを実現することができます。
特徴と利用効果
- 産業界では次のようなCAN HLP(Higher Layer Protocol)が幅広く使用されていますが、これらの主要プロトコルをすべてサポートできるのはX-Analyserだけです。
CAN、LIN、CAN FD、CANopen、J1939、NMEA2000 - 1つのツールだけで3段階のCANプロトコルレイヤを観察することができます(物理、データリンクおよびアプリケーションレイヤ)
- X-Analyserの高度な伝送機能を利用したCAN ECU(ネットワークシミュレーション)
- SAE J1939 – X-Analyserへ埋め込んだPGNと信号の完全なデータベース
テキスト、信号スコープ、ゲージとして表示
トランスミッタを使用してJ1939デバイスをシミュレート - NMEA2000 – X-Analyserへ埋め込んだPGNと信号の完全なデータベース
テキスト、信号スコープ、ゲージとして表示
トランスミッタを使用してJ1939デバイスをシミュレート - CANバスオシロスコープ
CANバス上の個々のCANフレームのCAN_H & CAN_L信号をキャプチャ
どのECU、またはCANバスのどのエリアに電気的問題があるのかを同定
CANシステム全体の電子監査用として使用可能(波形をExcelファイルとして保存)
簡単なセットアップ(従来型のオシロスコープよりもさらにセットアップが容易) - すべてのKvaser CAN、LIN、CAN FDインターフェイスをサポート
X-Analyser CAN、CAN FD、LINアナライザ– ソフトウェアのバージョンと機能
Features | Professional | Standard |
Multi-Raw Data Trace Display | Yes | Yes |
Engineering Signals | CAN, CAN FD, LIN | CAN, CAN FD, LIN |
Signals/CANdb Editor | On-the-Fly & X-Editor | On-the-Fly & X-Editor |
Multi-Signal Display | Text, Graph, Gauge | Text, Graph, Gauge |
Stop /Pass Filters | Stop & Pass | Stop & Pass |
CAN-FD * | Yes | Yes |
CANdb/LDF Support | Yes | Yes |
Import ASC Log Files | Yes | Yes |
Kvaser CAN/CAN FD/LIN Interface | Yes | Yes |
Network Channels | Many | Single |
CAN/LIN Object Transmitter | Many | Many |
ISO15765 Object Transmitter for UDS | Yes | Yes |
Message Builder from CANdb or LDF | Yes | Yes |
Interactive Generator | CAN & J1939 | No |
Real-time CAN Playback | Yes | Yes |
Vista, Win 7, Win 8, 8.1 & Win 10 | Yes | Yes |
Scripting (T-Script) * | Yes | Yes |
J1939 and NMEA2000 | Rx and Tx inc. signals | No |
CANopen | Rx and NMT Tx | No |
CAN Oscilloscope ** | Yes | No |
X-Analyserバージョン2のサポートは終了し、より高性能かつ強力に進化したX-Analyser 3が現行バージョンとなります。
X-Analyser 2を所有し、継続サポートをご希望の場合は、X-Analyser 3へのアップグレードが必要です。
仕様および機能比較表
タッチスクリーン用のGUI
X-Analyserは、最新のPCやタブレット向けの新しい直観的なデザインとなっており、ピンチズームなど、最新のモバイルフォンで使用されているのと同様のタッチスクリーン機能が含まれています。
このため、X-Analyserはデスクトップやラボだけでなく、車載用途や厳しい環境での作業に適しています。
今日では、多くのラップトップがタッチスクリーン機能を搭載し、各種のWindowsタブレットも利用することができます。
X-Analyserは、Windows 8.1および10をベースとしたタッチスクリーンデバイスとの連携利用が可能な唯一のCAN/LINバス解析ツールです。
X-Analyserは、大型アイコンの表示モードにするなど、タッチスクリーンデバイスに適した多くの機能を備えています。
これにより、より手軽で安全なPCを提供するX-Analyserは、ラップトップと比べた場合に車載用途に最適です。
NMEA2000
NMEA2000は、SAE J1939の29ビットCAN-ID形式をベースとした船舶用プロトコルです。X-Analyserは、29ビットCAN-IDを確認してJ1939と同じサブフィールドへと分割するため、NMEA2000による開発に役立ちます。
また、ご要望に応じて、最大8バイト長であるすべてのPGN信号が含まれたCANデータベースファイルもWarwick Controlから入手できます。8バイトを超えるPGNの確認が可能な転送プロトコルのサポートは、将来的に実用化されることが予想されます。
排気系ECU用オンボード診断(OBD)
X-Analyserは、OBD規格(ISO 15031、ISO 15765、およびSAE J1979)に基づくOBDスキャンツールの機能に利用することができます。OBDモジュールは、セットアップしてスキャンツールのモード1、モード3、およびモード4の機能を実行できます。
これらの診断機能により、X-Analyserは、リアルタイムCANの表示と、排気関連ECU向けの標準的なOBD機能を実行するための理想的な2in1のCANツールとなっています。
OBDモード1 – ライブデータ
X-Analyserは、車両がサポートするパラメータID(PID)のOBD CANポートを介してあらゆる車両にクエリメッセージを送信することができます。これが行われると、サポートされているPIDをX-Analyser Signalsパネルを介して容易に選択し、後でこれらのサポートPIDの「ライブデータ」を表示することができます。これらの機能は、X-Analyserのオブジェクトトランスミッタ機能を通じて実現されます。
OBDモード3 – 診断トラブルコード(DTC)の読み込み
X-Analyserは、排気系ECUに診断リクエストを送信することにより、スキャンツールモード3の機能であるReadCurrent Diagnostic Trouble Codes(DTC)を使用することができます。
これは、オブジェクトトランスミッタメッセージを利用して行います。いずれかのDTCがアクティブな場合は、そのDTCの値がX-Analyserによって報告されます。
OBDモード4 – DTCのクリア
X-Analyserは、排気関連ECUにDTCのクリアを指示する標準的な診断用CANメッセージを送信できます。この検証は、どのDTCからも応答がないことを示すモード3メッセージを再送信することにより行います。
SAE J1939のサポート
X-Analyserは、トラックやバスで使用される車載ネットワークを対象とするJ1939上位層プロトコルをサポートしています。X-AnalyserのProfessional版が必要なサポートのカテゴリとしては、メッセージ/信号解釈とメッセージ送信の2つがあります。
J1939のメッセージと信号の解釈
X-Analyserでは、Parameter Group Number(PGN)およびSPN(Suspect Parameter Number)信号のアプリケーション層データベースをX-Analyser Professional版に組み込んで提供しており、その総信号数は4000を超えます。このため、これらの信号をX-Analyserで受信すると、その値をJ1939メッセージ文書で確認することができます。
Interactive Generatorを使用したJ1939メッセージ送信
X-AnalyserのInteractive Generator機能を使用すると、ユーザはRPM単位のエンジン速度値などの物理信号の値を入力することができます。X-Analyserは、すべての演算を実行して生のCANメッセージのデータフィールド値を算出します。
J1939 CANデータベースは、X-Analyserのお客様の場合、ご要望に応じてWarwick Controlから無料で取得できます。
業界標準のログファイルおよびデータベースをサポート
X-Analyserは、エンジニア、顧客、およびサプライヤ間で容易に共有できるように、業界標準のファイルを使用しています。
- Controller Area Network(CAN)の記述には、X-AnalyserはCANデータベースファイル形式(*.dbc)をサポートしています。
- Local Interconnect Network(LIN)の記述には、X-AnalyserはLIN Description File(LDF)形式(*.ldf)をサポートしています。
- CANデータのログには、X-AnalyserはASCIIファイル形式(*.asc)のログファイルをサポートしています。
プロジェクトの共有が容易
X-Analyserのプロジェクトファイルでは、さまざまなセットアップやGUI表示をさまざまなプロジェクト、車両、およびネットワーク向けに編成することができます。
CANまたはLINデータベースをX-Analyserプロジェクトへと組み込むことにより、データベースの関連付けや位置について心配することなく、容易にプロジェクトファイルを共有できます。
オフライン解析のための仮想ネットワークおよびチャンネル
X-Analyserでは、オフラインのデモや、CANまたはLINバスからキャプチャしたデータでの作業に役立つ多数の仮想バスを利用できるため、ネットワークインターフェースを必要とせずにPC上でデータのレビューや再生を行うことができます。仮想バスの内容は、次のとおりです。
- シミュレートするループバックで接続されるネイティブな仮想X-Analyser仮想バス。再生用に最適です。
- 正弦波および多数のランダム信号波形を格納するデータ領域を備えたID 0x500のCANメッセージを生成するランダムCANジェネレータ。
- 正弦波および多数のランダム信号波形を格納するデータ領域を備えたID 0x32のLINメッセージを生成するランダムLINジェネレータ。
- 正弦波および多数のランダム信号波形を格納するデータ領域を備えたID 0x500、DLC 48のCANメッセージを生成するランダムCAN-FDジェネレータ。
このほか、KvaserまたはVector社製インターフェースをご使用の場合は、これらのメーカーが提供する仮想チャンネルを使用できます。